大人が読む本なのか、児童むけなのか。わずか60ページで、小鳥目線の物語でひらがなを多く使って書かれていてとても読みやすいです。生まれて間もない小鳥が色々な場所へ冒険にでて色々な出会いをします。あくまでも小鳥目線なので記憶がうすぼんやりしている様子や目の前に起きていることが十分に理解できない様子が巧みに表現されています。人間の大人とは話せませんが、子どもとは言葉が通じ合います。その子も大人になると話が通じなくなってしまうし、小鳥と話せたことも憶えていないようです。小鳥の不完全でたどたどしい表現の中にも、色々な優しさや寂しさはかなさが伝わってくる作品です。ところで、この作品は小川糸さんの別の作品の『リボン』と対になっている事に最後に気づきました。今、『リボン』を読んでいます。